法人化をしたり、人を雇うと従業員へ支払う給与の計算が必要です。

いったん仕組みが分かってしまえば、あとは計算をするだけなので難しくはありませんが、どうしても最初に理解するまでのハードルと理解した後のひたすら給与計算をしなければならない作業量がネックです。

従業員が一人だけとかなら、特に大変さも感じないと思いますが(法人化してあなたが従業員だけの場合は忙しすぎて手が回らないかもしれませんが…。)人が増えてくると、その分計算の手間がどんどんかかってしまいます。

「できるだけ給与計算の手間を減らしたい…。」

あなたはそんな気持ちを抱えながら給与計算をして時間を使っていませんか?

今回はそんな面倒でハードルの高い給与計算が効率的にできる「給与計算ソフト」について紹介しますね。

給与計算ソフトって何?

給与計算ソフトとは、企業に勤める従業員に支払うお給料を自動的に計算してくれるソフトです。自動的に計算するために、企業の情報や従業員の情報が必要ですが、一旦登録してしまえば、お給料の計算や給与明細まで作成してくれ、年末調整に対応しています。

導入することで毎月の給料の計算や残業代の計算など面倒な作業を自動的に行ってくれるので、時間効率が非常に良くなります。
やはり手で計算していると時間も遅いですし、計算ミスがあればまた最初から計算しなおしになってしまいます。

給与計算ソフトの種類はクラウド型とインストール型の2種類あります

そんな便利な給与計算ソフトですが、実は2種類のタイプの給与計算ソフトがあります。

一つはインストールしたパソコンだけで利用が可能である「インストール型給与計算ソフト」、もう一つが、ネットにさえつながっていればどんな環境でも作業が出来てしまう「クラウド型給与計算ソフト(通称:クラウド給与計算ソフト)」です。

それぞれ特徴がありますので、どちらにどんなメリットがあるのか?どんなデメリットがあるのか?紹介します。

インストール型給与計算ソフトは長年の信頼感が肝

インストール型給与計算ソフトは信頼感が髙いのが売りです。

インストール型給与計算ソフトは歴史も長いので、すでに導入している企業の前例も多いです。

またインストールしたPCをネットにさえつながなければ、完璧なセキュリティを築くことができます。

ここらへんの信頼感が売りですね。

ただ、最近ではクラウド型ERPに押されていて、若干風向きが悪いです。
長年使い続けたソフトが良い!導入事例が多いほうが安心!という方はインストール型給与計算ソフトがおすすめです。

クラウド給与計算ソフトは自由度が高いのが売り

クラウド給与計算ソフトはインストール型給与計算ソフトと比較して非常に自由度が高いです。

長年の信頼感ではなく、使いやすさや効率が何よりも優先という方にはぴったりの選択肢です。

クラウド給与計算ソフトはデータ自体はインターネット上にありますので、IDとパスワードさえわかっていれば、スマホからでも出張先のパソコンからでもどんな時でもデータにアクセスして作業ができます。ただし、ネットにつながっていないとだめなのでもし作業中にインターネット接続が切れてしまうような不安定な回線環境では、あまり良くありません。

また給与計算ということで、クラウド会計ソフトと比較するとそこまで頻繁にソフトでの計算の頻度が高くないので、どこでも業務ができることのメリットはあまり大きくないのですが、もう一つのメリットが大きいです。

それは「クラウド会計ソフトで情報が共有できる」ことです。

現在クラウド給与計算ソフトサービスを提供している主だったところは「freee」「マネーフォワードクラウド」「弥生」です。

これらの会社は同じような仕組みのクラウド会計サービスを展開しています。
(クラウド会計ソフトって何??という方はクラウド会計とインストール型会計ソフトの比較!確定申告の強い味方はどっち?を参照してください)

このクラウド会計と連携できるのが非常に役立ちます。

というのも、インストール型給与ソフトで計算した内容は、その内容を経理作業で仕分けなど会計処理をする必要が出てきます。

クラウド給与計算ソフトであれば「クラウド給与計算で給与計算」⇒「自動的にクラウド会計ソフトで処理完了」と自動連係さえしておけば、何もしなくても自動的にデータを取り込んでくれます。

最近ではクラウド会計ソフトのシェアがどんどん伸びているので、自動的に給与の情報が連携できるクラウド給与計算ソフトの需要がグングン伸びています。

セキュリティが心配な時はどのソフトが良い?

セキュリティについても心配な方がいらっしゃるかもしれませんが、ものすごい頑丈なセキュリティで情報を守っているのもクラウド給与計算ソフトの特徴の一つです。

銀行でも使われているようなセキュリティが引かれているので、インストール型で個人向けのセキュリティソフトで守っているだけというような状態と比較すると、クラウド給与計算ソフトのほうが信頼度は上です。

セキュリティの信頼感を順番に並べると

  1. 完全オフライン運用のインストール型給与計算ソフト
  2. クラウド給与計算ソフト
  3. 個人向けセキュリティソフト+インストール型給与計算ソフト

という感じです。(セキュリティソフト無しでの運用は論外ですが)

クラウド給与計算ソフトのセキュリティに関しては、クラウド会計ソフトのセキュリティ面と同じ場合がほとんどなので、セキュリティについて詳しく知りたい方はクラウド会計のセキュリティは大丈夫?freee、マネーフォワードクラウドを徹底比較!を参考にしてみてください。

インストール型給与計算ソフトとクラウド給与計算のどっちがおすすめなの?

様々な違いを説明させていただきましたが、結局インストール型給与計算ソフトとクラウド給与計算ソフトのどっちがおすすめなのかといえば、「クラウド給与計算ソフト」が非常に便利です。

先ほども説明しましたが、使いやすさでいえば最近のクラウド給与計算ソフトは従来のインストール型よりも使いやすいものが多いです。

さらに、クラウド会計ソフトやそのほかのクラウドERPサービスと連携できるので、どんどん経理業務が自動化できて効率的になります。

特に今クラウド会計ソフトを導入しているという方はクラウド給与計算ソフト一択です。

セキュリティ面でも、完全にインターネットにつながずに給与計算するのも作業効率的に非常に悪いですし、どんどんパソコンの性能が上がるのにいつまでも給与計算ソフトが動くパソコンは古いまま・・・。という形になってしまいます。

おすすめのクラウド給与計算ソフトはどれ?

おすすめのクラウド給与計算ソフトについても紹介させていただきます。

選定基準は、使い勝手の良さ、クラウド給与計算ソフト以外の拡張性の高さ、価格などで総合的に判断しています。

  1. マネーフォワードクラウド給与計算ソフト

    マネーフォワードクラウド

    関連サービスが一番充実しているのがマネーフォワードクラウド給与計算です。給与計算、会計、請求書、経費、マイナンバーなど経理労務業務のほとんどがカバーできます。

    勤怠管理だけは別のソフトを利用しないといけませんが、ボタン一つで連携できるのでほとんどのバックオフィス業務を自動化することが出来ます。

    特に個人事業の延長で節税のために法人化して従業員が自分1人しかいない場合は完全無料で使えてしまうので非常にお得です。

    今なら初期費用は無料で30日間の無料お試しができます。

  2. 人事労務freee

    freee

    人事労務freeeの利点は人事労務freee給与計算ソフトを導入するだけで勤怠管理やマイナンバー管理などの機能が一緒にくっついていることです。
    マネーフォワードクラウド給与の場合は個別のニーズに合わせてサービスを追加していくという使い方ですが、人事労務freeeの給与計算では入社手続き、勤怠管理労務管理などが一気にできてしまいます。

    そもそも全部導入する予定という場合は人事労務freeで大部分をカバーできるのでごく小規模ではなく数人~数十人の従業員がいて、今後も増えるというようなタイプの企業体に向いています。

    人事労務freee給与計算ソフトも初月は無料で使用することができますが、マネーフォワードクラウド給与とは違って従業員があなた一人だけでも料金がかかってきます。

  3. やよいの給与明細オンライン

    やよいの給与明細オンライン

    やよいの給与明細オンラインはクラウド給与計算のメリットの一つである、会計ソフトとの連携に対応していない商品なので、若干便利さには劣ります。
    給与計算ソフトとしては使いやすいです。

    完全にクラウドサービスを使って自分たちだけで終わらせるというのではなく、やよいの給与明細オンラインで給与計算をして、税理士に頼むという使い方がメインになっています。
    デジタルとアナログの間のような感じですね。

    どちらかというと個人ユーザーが主体で選択するというよりも、顧問税理士や会計事務所が顧問先におすすめして業務改善を行うというイメージの使い方が一番のターゲットの様子です。

    まとめ

    給与計算で困ったら、給与計算ソフトを導入してみてください。
    給与計算ソフトはクラウド会計ソフトを使っているなら、クラウド給与計算ソフトがとてもおすすめです。

    現在ものすごいスピードでバックオフィス業務が自動化できるクラウドサービスが出てきて、品質を向上しています。
    今後はバックオフィスのクラウド化による自動化がメインになっていく様子ですので、興味のある方はチェックしてみてくださいね。