クラウド会計ソフトの最適な選び方

クラウド会計は徐々にシェアを伸ばしており、「そんなに簡単なの?」「楽になるなら使ってみたいなあ」という声も増えてきています。 クラウド会計のメリットは、確定申告を簡単に行えることです。

確定申告といえば、フリーランスの方にとっては大きな壁のひとつ。 仕訳の検討、領収書の収集、経費の処理など、確定申告シーズンは例年以上に忙しく、毎日ヘトヘトになりそうです。

クラウド会計なら簡単に確定申告ができるので、経理にかかる時間を大幅に短縮することができます。 自動仕訳、クレジットや各種金融機関と連携した自動帳簿付けもでき、経理にかかる時間を短縮することができます。

帳簿付けに時間がかかっている方には嬉しいサービスですね。

クラウド会計ソフトには多くの種類があります。自分に合ったクラウド会計ソフトを選ばないと、会計に膨大な時間がかかってしまい、どう使っても慣れないかも知れません。

そこで今回は、人気の「freee」と「マネーフォワード クラウド確定申告」を比較し、自分に合ったクラウド会計を選べるように比較したいと思います。

クラウド会計の比較するポイントですが、、、

・使いやすさ
・料金
・サポート

この3つをきちんと比較することが大切です。使いやすさはもちろんですが、クラウド会計を使っていてわからないことが出てきた時のサポート体制も見ておくべきポイントで、月々の支払いなので、料金も重要です。

今から紹介させていただくのはクラウド会計の有料会員比較ですので、もし無料でとりあえず試してみようかなという方は
クラウド会計ソフトの無料会員の違いを紹介していますので、そちらを見てください。

また、こちらの比較は個人事業主向けの比較データになりますので、法人向けの比較をご覧になりたい方は「法人向けクラウド会計ソフトの比較」をご覧ください。

「freee」と「マネーフォワードクラウド確定申告」と「やよい」のそれぞれの特徴

それぞれの比較ポイントを紹介する前に、簡単に特徴を紹介したいと思います。

特徴から「これはいいかも!」と思ったサービスをチェックし、気になる比較ポイントだけを見ていくと時間の短縮になります。

freeeの特徴!(メリットとデメリット)

freee

テレビCMでも積極的に展開されているfreeeは「会計知識ゼロでも確定申告ができる」のが一番の特徴です。

とにかく会計が全く分からない人にはfreeeがおすすめです。

freeeは会計知識がなくても、仕訳や確定申告の資料作成がめちゃくちゃ楽で、めちゃくちゃ早いです。

ただし、簡単になっているためにデメリットもあるのが正直なところです。

確定申告の用紙も自動で出力してくれるのですが、いまいちよく分かっていないと、副業の方が会社に副業バレしてしまうなんてこともありえます。

副業バレをせずに確定申告をする方法を知っていれば、簡単に防げるのですが知らないとほぼ間違いなくやってしまうミスをしてしまう設定になってたりします。

そういう小回りの利かないところもあるfreeeです。どちらかというと小規模フリーランスの方におすすめですね。

また、UIが初心者に見やすい反面、会計知識がある人にとっては独特すぎて見にくいという口コミが多数あります。
特に会計のエキスパートの税理士さんにとっては使いにくいと感じるので、将来的に顧問税理士を雇う予定がある方にとっては大きなデメリットです。

【メリット】
・簡単に確定申告をすることができる
・圧倒的なシェアで安心できる

【デメリット】
・簡便化されていて、会計知識が少しでもある人には使いにくい
・細かい修正が非常にやりにくい
・税理士さんが独特の使用感で使いにくい

マネーフォワードクラウド確定申告の特徴!(メリット・デメリット)

会計をちょっとでも知っていれば正確・素早いのが、マネーフォワードクラウド確定申告です。慣れればこれ以上ない使いやすさのソフトです。

とくに複式簿記を知っていれば、マネーフォワードクラウド確定申告を選ばない理由が全くありません。

ちなみにマネーフォワードクラウド確定申告とマネーフォワードクラウド会計がありますが、確定申告が個人事業主用、会計が法人用なのでご注意ください。

【メリット】
・UIが使いやすい
・半自動仕訳なので、後から簡単に調整ができる
・手入力でも早い
・サポートが手厚い

【デメリット】
・完全自動で仕訳はしてくれない

マネーフォワードクラウド確定申告は、完全に自動では仕訳をしてくれません。
なので、マネーフォワードクラウド確定申告を使うには会計知識が全くない方だと少しハードルが高いです。

ただし、既に会計ソフトを触ったことがある方は仮に弥生会計を使っていた方でも、スムーズにマネーフォワードクラウド確定申告に移行しやすいです。

また会計ソフトを使ったことがなくても、複式簿記を知っていたり3級レベルの知識があれば、確実にマネーフォワードクラウド確定申告をおすすめします。

というのも、仕訳の方法が複式簿記の知識があればかなり素早く処理できるようになります。

初心者にとってのデメリットである半自動仕訳も、知識が少しでもあれば非常に高性能な提案をしてくるので、処理スピードが格段にあがります。

でも「これってこっちの仕訳のほうがいいよなー」と自動ではどうしても対応できない部分が絶対に出てきます。

freeeで手入力する場合は、少しコツのいる処理をしないといけませんが、マネーフォワードクラウド確定申告は手入力を前提としているのでスピーディーに処理ができます。

会計知識がある。会計知識もつけていこうという気持ちがあるという方には一押しのクラウド会計サービスです。

弥生会計(やよいの青色・白色申告オンライン)の特徴!(メリットとデメリット)


弥生会計のクラウドバージョンは種類が三つあります。
一つは企業体向けのクラウド会計「弥生会計オンライン」です。
残りの二つが個人事業主向けのクラウド会計で、白色申告か青色申告かで分かれてます。「やよいの青色申告オンライン」「やよいの白色申告オンライン」ですね。

弥生会計の強みは簡単に言うとサポートが強いことと、弥生会計経験者が多いことですね。

【メリット】
・確定申告期間のサポートが厚い
・ダウンロード版の弥生会計経験者にはとっつきやすい

【デメリット】
・後発組なので、まだUIが使いにくい
・会計知識がないと辛い(マネーフォワードクラウド確定申告より厳しい)

クラウド会計の核を徹底比較!!

cloud比較

では、それぞれのソフトの特徴を紹介させていただいたところで、実際にクラウド会計の核となる「使いやすさ」「料金」「サポート」について比較していきますね。

使いやすさの違い

クラウド会計の使いやすさを左右するのは3つのポイントが肝心。

  • 「仕訳機能は知識が必要か?手入力は簡単か?」
  • 「金融機関と連携できるか?」
  • 「確定申告書はどこまで自動で作れるか?」

これらの機能がクラウド会計の使いやすさを左右します。

各クラウド会計ソフトの仕訳機能の比較

簡単にそれぞれの仕訳についての機能をまとめると・・・

クラウド会計の特徴

freee完全自動 知識不要でめちゃ楽

マネーフォワードクラウド確定申告半自動、知識に応じて簡単に変更可能

弥生会計完全手動、わからなければサポートへ

こんな感じです。

freeeは複式簿記を全く知らない方でも使えるようなユーザーインターフェイスとなっています。

家計簿をつけるような感覚で、お金のやりとりを入力すると自動的に取引を仕訳してくれるため、簿記の知識ゼロの方でも使えます。

ただし、freeeでも自分で現金でやりとりしたときには手動で登録する必要があります。
このときは正直めっちゃめんどくさいです。
どの科目で仕訳するかまでは比較的ネットを使えば簡単にできるんですが、実際に科目を入力するのがとても大変です。
何に登録すればいいかわかるけど、どうfreeeに登録すればいいかわからない状態。
⇒UIが改善されて手入力もやりやすくなりました。

一方、マネーフォワードクラウド確定申告では手入力用の「詳細モード」がついています。
詳細機能とは複式簿記の入力になれている方のために自分で複式簿記で入力していくモードです。

これは複式簿記になれている方には大きなメリットですが、全く会計知識の無い方にとってはfreeeと比較して少し入力画面が雑多な印象ですね。

例えば、yahoo知恵袋などで結構「○○という取引はどういう仕訳になるのでしょうか??」というように具体的な仕訳の方法を聞かれている方が結構います。

回答としては「○○という仕訳で良いと思います。」となりますが、マネーフォワードクラウド確定申告であれば、詳細モードで入力することができます

でもfreeeを使われている方は「じゃあ、それってfreeeでどう入力するの??」となってしまって、仕分け項目はわかっているのに入力ができない。という状況になってしまいます。

ある程度自分で仕訳ができる方にとっては圧倒的にマネーフォワードクラウド確定申告が良いですし、全くわからない初心者の方はfreeeがおすすめです。

仕訳まとめ

freee マネーフォワードクラウド確定申告 弥生会計オンライン
仕訳 自動p2marupng 半自動pmaru48 手動
会計知識 不要p2marupng 必要pmaru48 必要pmaru48
手入力 複雑batsu48 簡単p2marupng 簡単p2marupng

サポート面の違い

whiteboard_blank_woman

サポートの手厚いのはfreeeよりもマネーフォワードクラウドです。

マネーフォワードクラウド確定申告は公式ページでのFAQや、使い方ガイドがとても充実しています。

こんな感じで全ての機能に対する使い方ガイドが無料で配布されています。
マネーフォワードクラウド 使い方マニュアル

これ使ってない方がみてもちょっと「?」かもしれませんが、いざ使ってわからないことが出てくるとほぼ全部これで対応できます。

どうしてもできない場合は、24時間メールでサポートを受け付けているので個別に対応してくれます。
急を要する場合はチャットサポートも行っていますので、営業時間内であれば対応してくれます。

ただし、電話でのサポートを受けるには「あんしん電話サポート付きプラン」に申し込む必要があります。
※年額払いのみ

マネーフォワードクラウド確定申告はfreeeよりも安くて手厚いサポート体制という2点を売りにしてfreeeに勝負を挑んでいたような形でしたが、2016年1月15日をもってマネーフォワードクラウド確定申告の無料電話サポートが終了してしまいました。

一方、freeeはサポートが拡充されてきています。が検索機能が無い、、

確かにチャットとメールでのサポートは行っていますが、公式ページのQAなどよくある質問などが若干薄いです。

freeeを使っていると出てくる疑問って、実際freeeを使っている人しか解決できない場合が多いので、この点は少しマイナスです。

サポートまとめ

freee マネーフォワードクラウド確定申告 弥生会計オンライン
メール対応 pmaru48 pmaru48 pmaru48
チャット対応 pmaru48 pmaru48
電話対応 pmaru48 pmaru48 pmaru48
Q&A sankaku48 p2marupng pmaru48

※freeeの電話サポートは、39,800円/年のプレミアのみ
※マネーフォワードクラウドの電話サポートは、35,760円/年のパーソナルプラス電話サポートプランのみ

料金の違い

料金は各サービスで複数あるので、まずは簡単に紹介しますね。
※2023年12月現在の料金

freeeの料金プラン
2024年2月1日現在の料金表

スターター スタンダード プレミアム
基本料金
(3人まで)
 月額払い 1,480円 (税抜)
年額払い 11,760円 (税抜)
 月額払い 2,680円 (税抜)
年額払い 23,760円 (税抜)
年額払いのみ
39,800円 (税抜)
メンバー
追加
freee認定アドバイザー
以外はメンバー追加不可
4人目以降、1人あたり
月額払い 400円 (税抜)
年額払い 3,600円 (税抜)
4人目以降、1人あたり
年額払いのみ
3,600円 (税抜)

2022年12月 改定後の料金(iOS)

改定後の料金表

スターター スタンダード
基本料金
(3人まで)
月額払い 1,700円 (税込)
年額払い 12,800円 (税込)
月額払い 3,100円 (税込)
年額払い 26,800円 (税込)

・マネーフォワードクラウド確定申告の新料金プラン
※2023年12月現在の料金マネーフォワード料金

月額払い 年額払い
パーソナルミニ *1 1,280円/月 10,800円/年
1ヶ月あたり900
パーソナル 1,680円/月 15,360円/年
1ヶ月あたり1,280
パーソナルプラス電話サポート付き

35,760円/年
1ヶ月あたり2,980

*1 新プランの「パーソナルミニ」は開業したての方、副業の申告がある方、とりあえず確定申告だけできればいいといった方を対象にしたプランです。

*パーソナルプラン(月額1,680円)は1ヶ月間、無料でトライアルできます。

・弥生会計オンラインの料金プラン

※2023年12月現在の料金

青色プラン
やよい青色プラン
白色プラン
やよい白色プラン

年額払いのみ
弥生会計オンライン
(企業向け)
セルフプラン 26,000円(税抜)
ベーシックプラン 35,200円(税抜)
やよいの青色申告オンライン
(個人事業主向け)
セルフプラン 初年度無料
次年度以降8,800円(税抜)
ベーシックプラン 初年度無料
次年度以降13,800円(税抜)
トータルプラン初年度12,000円(税抜)
次年度以降24,000円(税抜)
やよいの白色申告オンライン
(個人事業主向け)
セルフプラン 無料
ベーシックプラン初年度無料
次年度以降9,200円(税込)
トータルプラン初年度8,400円(税抜)
次年度以降16,800円(税抜)

どれが良いのかは個人差もあるのですが、料金設定が真ん中のプラン同士を比較すると、freeeは2,380円/月。
マネーフォワードクラウド確定申告は1,680円/月です。

freeeはこれ以下のプランを選ぶと、自動化ができなかったり、クラウド会計のメリットが失われてしまうのであまりおすすめできません。

逆にマネーフォワードクラウド確定申告はこれで必要十分です。さっきもちらっと言った電話でサポートしてほしい人だけ、年間35,760円の一括払いプランを選択してください。

ここの違いは本当に電話サポートがあるかないかの違いだけです。

電話でのサポートを選んでもfreeeのスタンダードプランよりも安いという時点でマネーフォワードクラウド確定申告にサポート面では軍配が上がりますね。

あと触れておきたいのが白色申告の場合のやよいオンラインですね。
完全無料で使えてしまいます。会計知識があってとりあえずは白色という場合はやよいオンラインにデータだけ蓄積しておくというのが賢いですね。

ニーズ別おすすめクラウド会計は?!

違いでも説明しましたが、「何をクラウド会計に求めるか?」で、おすすめのサービスが変わってきます。

そこで、ニーズ別にどのクラウド会計ソフトを選ぶべきかおすすめを紹介したいと思います。

会計知識がまったく無く、とにかく手軽に確定申告をしたい方

IT系のフリーランサーの方はfreeeで全部OKです。

会計知識がまったく無い!でも簡単に65万円の控除が受けられる青色申告をしたい!

という方は、freeeがおすすめです。

なんといっても、自動的に仕訳ができるという点が一番。
自動で仕分けをしてくれますので、全く勘定科目について意識をせずにガンガン入力していくことで
勝手に帳簿が完成するというのは非常に気持ちがいいです。

もう一つは確定申告書の作り方がとっても簡単という点。

質問事項に答えていくだけで、自動的に確定申告書が完成します。

決まったクレジットカードや金融機関で取引をするという方にとっては、最初に登録するだけで

自動的に65万円控除が受けられる青色申告書が完成してしまいます。

会計知識が少しだけある、(今後勉強するつもり)の方

会計知識が少しある!という方はマネーフォワードクラウド確定申告のほうがおすすめです。

最初は会計知識があまりなくても半自動的に仕訳してくれるのでほぼほぼ問題ありません。
ただし、自動入力ではなく「自動的に仕訳を提案」してくれるだけなので、最終的な判断はユーザーに任せる。というスタンスです。

そのままの提案で問題ない場合が多いですし、心配な方は一度グーグルで調べるなどすれば
学習機能がついているので、一度行った仕訳は記憶してくれますので、二回目以降は調べる必要はありません。

例えば、副業でほぼ同じような科目が引き続くというようなビジネスモデルの方、例えばアフィリエイトなどでASPからの報酬、外注記事費用、その他書籍購入費、というようにお決まりの科目な場合は処理スピードが早いです。

また事業をやっていく上で会計の知識って大切なので、今後勉強していくことを考えている方にも。

手打ち入力がしやすいので現金でのアナログなやりとりが多くある場合には、マネーフォワードクラウド確定申告のほうが良いです。

いままでやよいを使っていて、使用感が変わるのは困る!という方

番外編ですが弥生会計を使っているかたには、そのままやよいオンラインを使っていただくか、マネーフォワードクラウド確定申告が良いです。

マネーフォワードクラウド確定申告は他の会計ソフトを使っていても、スムーズに移行できるという口コミもあるシンプルなソフトです。

癖がないので使いやすいですよ。

税理士からはどちらが喜ばれるの??

最終的な確定申告の前にお抱えの税理士の方に相談される方もおられると思いますが、上述のとおりfreeeは若干癖のあるサービスです。

クラウド会計サービス自体が新しいものなので、税理士の方もまだまだ知識が及んでいない場合があります。

なので、専門家からするとマネーフォワードクラウド確定申告の方が、税務知識を活かせるサービスとなっているので、税理士に相談される方はマネーフォワードクラウドの確定申告方が良い場合があります。

もちろんfreeeはテレビCMでも宣伝しているぐらいの有名ソフトなので、きちんと税理士の方も把握している方が増えていますので、既に税理士に頼んでいる方は一度確認してみてください。

また、まだ税理士を使われていない方は契約するときにfreeeが使えるか?マネーフォワードクラウド確定申告が使えるか?を事前に確認することはしてくださいね。


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