青色申告の節税メリットに魅力を感じているけど、最初は「なんだか必要な書類がよくわからない」という方がほとんどだと思います。

とくに青色申告の中でも複雑なのが65万円控除です。
必要な書類も多くて複雑ですが、「なんとなく難しそう。」「なんとなく大変そう」という理由で65万円の控除を捨ててしまうのはとてももったいないです。

65万円控除に必要な書類は難しい印象はありますが、一つ一つ見ていくと案外簡単です。

この記事では一つ一つ必要な書類が何か?簡単に青色申告書類を作成する方法などを紹介しています。

65万円控除を受けるには複式簿記での記帳が必須

最大の節税メリットである、65万円控除を受けるためには複式簿記での記帳が必須になります。

帳簿は「仕訳帳」「総勘定元帳」が全てのベースとなります。とても大切なので「主要簿」と呼ばれています。
これらの補助的な役割を担うのが「補助簿」です。

補助簿は主要簿をフォローする役割です。あなたの事業や取引の種類によって備付ける帳簿が異なってきます。

青色申告を行うためにはこれらの帳簿に複式簿記での記帳が必要です。
ただ、意外と勘違いしてしまいがちですが、確定申告の時に提出するのはこれらの帳簿ではありません。

帳簿はあくまでも青色申告決算書を作るための根拠となる書類で7年間の保存義務があります。

税務調査があった場合には、正しく申告されているかをこの書類を基に照合するので、ただ単に保存しているだけではなく、いざというときすぐに応じられるようにきちんと整理して保管しておきましょう。

65万円控除を受けるために提出しなければならない二つの書類

では、65万円控除を受けるために提出しなければならない書類はどういうものがあるのでしょうか?

65万円控除を受けるために必要な書類
  • 青色申告決算書(損益計算書・貸借対照表)
  • 確定申告書B



確定申告で65万円控除を受けられる青色申告をする場合、これら二つの書類が必要です。

10万円控除を受ける際は青色申告決算書が損益計算書だけでいいのに対して65万円控除を受けるには損益計算書だけでなく貸借対照表の提出が必要になってきます。

青色申告決算書について

青色申告決算書は、あらかじめ青色申告承認申請書を提出している人に12月中旬から1月あたりに税務署から送付されてきます。

もしくは国税庁HPからダウンロードすることで入手できます。

この書類は4枚の書類で成り立っています。

青色申告決算書の中身
  • 損益計算書1枚
  • 損益計算書の明細2枚
  • 貸借対照表1枚

このうちとても重要なのは、「損益計算書」「貸借対照表」です。
重要なので一つ一つ解説していきますね。

損益計算書(青色申告決算書1ページ目)

損益計算書は売り上げから仕入れ原価、経費を引いて差し引き金額を計算し、そこから青色申告特別控除を控除した1年間の事業所得の総額を算出する用紙です。

損益計算書の目的は「1年間でどれぐらい利益が出ましたか?」を表す書類です。

1ページ目ではそれぞれ1年間の総額の金額を記入しますが、2ページ目3ページ目では月ごとにより細かく記入していく必要があります。

実際の決算書を使って、どこが売上なのか?経費なのか?記入が必要な箇所をそれぞれ説明しますね。

損益計算書に書くポイント
  1. 事業者の住所、氏名、連絡先
  2. 1年間の事業収入
  3. 仕入れなどの売上原価
  4. 旅費交通費や交際費などの経費
  5. 収入から原価と経費を差し引いた金額(2-3-4)
  6. 各種引当金・準備金(繰戻額)※
  7. 各種引当金・準備金(繰入額)※
  8. 青色申告特別控除
  9. 1年間の事業所得(5+6-7-8)

※印の部分は専従者給与を支払っているか?貸倒引当金を使っているかによって記入が不要な場合があります。

貸借対照表(4ページ目)

貸借対照表は「財政状況がこの1年でどうなったか?」を表す書類です。

なので期首と期末の資産と負債・元入金を入れます。

細かい簿記の話になるのですが、資産と負債・資本の合計は必ず同じ金額になります。

確定申告書B

確定申告Bは所得税の計算をするために記入していきます。
青色申告決算書は事業所得を確定するために記入するのですが、確定申告書Bでは事業所得以外の配当や給与所得を全部計算して所得税を確定していきます。

第一表

確定申告書B第一表では所得を計算して所得税額を確定させます。

具体的には所得金額から控除金額を差し引いて課税対象の所得金額を計算します。

そこで、出てきた所得金額に税率を計算して所得税額を算出します。

この時税額控除があれば所得税額から控除される金額を差し引いて最終的な税額が確定します。
税額控除は所得から控除されるのではなく、直接税額から引かれるのでとても強力ですね。

これらの計算を経て納めるべき税金の額、還付される税金の額が確定します。

こちらも実際の書類で一つずつ記入箇所を説明していきますね。

確定申告書B第一表
  1. 住所、氏名、連絡先など
  2. 1年間の収入
  3. 1年間の所得
  4. 所得控除の計算
  5. 所得税額の計算
  6. 配偶者所得や専従者給与、青色申告特別控除など(税額控除の対象となるもの)

第二表

第二表は第一表の補助的な役割の書類で、第一表の詳細を記入する表です。

こちらも第二表の書類を使って説明しますね。

第二表に記入するもの
    1. 住所・氏名
    2. 給与、年金などの源泉徴収された所得

所得の内訳ではすでに厳選されている所得の種類と金額を記入します。

    1. 年金以外の雑所得や配当所得・譲渡所得
    2. 社会保険証や生命保険料など所得控除の詳細

1年間に支払った医療費や社会保険料、生命保険料や寄付金を記載していきます。

  1. 事業専従者の詳細

これらを記入すればOKです。
様々な書類があって、大変そうですが一つ一つの作業が65万円控除に繋がることをモチベーションにしましょう。

必要な書類に記入する自信が無い方はクラウド会計がおすすめ

以上が、65万円控除を受けるために必要な書類です。

白色申告で必要な書類や、10万円控除を受けられる青色申告で必要な書類と比較して種類も多いです。
複式簿記で記帳した金額を記入しないといけないので、会計知識が無い方には難しいと感じられたかもしれません。

もし「会計わからないし、自信がないよー。」という方はクラウド会計ソフトを利用するのがお勧めです。

クラウド会計ソフトを利用することで、複式簿記の知識が無くてもほとんど自動的に日々の取引を複式簿記で帳簿を作成してくれます。
もちろん青色申告に対応しているので、確定申告に必要な書類も、簡単な質問に答えるだけで勝手に作成してくれます。

月額1000円程度の費用は掛かってしまいますが、経費で落とすこともできますし、65万円の控除を受けるとなると十分対費用効果の高い投資です。

クラウド会計を使えば、あなたがやることは普段クラウド会計に登録されているデータがきちんととれているか?のチェックと、クラウド会計が作成してくれた確定申告書類を印刷して提出するだけです。

クラウド会計を使えば会計知識がなくても、65万円控除を受けることは難しくありません。

楽に65万円控除を受けたい方はクラウド会計について説明している記事がありますのでご覧ください。


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