個人事業主がコロナの影響で赤字になった場合の確定申告

新型コロナウイルスの影響は甚大で、業種によっては今までにないほどの赤字を出す個人事業主も多くいます。そのため、政府や自治体としてもいくつもの対応を行っています。とはいえ、赤字そのものがなくなるわけではないので、少しでもダメージを減らせるように努める必要があります。そのできることの一つとしては、税務上の制度を上手に活用することです。

まず、個人事業主は損益通算ができることになっています。これは、一つの事業から出た赤字を他の事業で相殺できるという制度です。たとえば、メインとなる事業所得がコロナの影響で赤字となってしまった場合、そのマイナス分を黒字が出ている不動産所得に算入して所得額を減らすことができます。こうして総所得額は、すべての所得区分のプラスとマイナスを合算したものとなるのです。

個人事業主は赤字の繰越ができる

上記のように、個人事業主は赤字が出た場合損益通算を行えますが、それでも年間の総所得で赤字になってしまうことがあります。その場合、3年間にわたって赤字の繰越ができることになっています。たとえば、ある事業主が150万円の赤字を出したとします。

当然、その年は所得ゼロとなって非課税扱いになります。翌年にトータルで500万円の黒字を出すことができたとすると、その総所得から150万円引いて、350万円の所得として確定申告を出せるのです。また、翌年100万円の黒字のみとなった場合は、やはり所得額ゼロとなります。

そして、翌々年に50万円分の赤字を繰越して、やはり黒字から相殺できることになります。こうして最大で3年間までであれば、赤字分を全部使い切るまで繰越ができるのです。コロナの影響で赤字が出てしまったのであれば、来年の所得から相殺できるということを覚えておき、来年度の確定申告に記載するようにしましょう。

この3年間の赤字繰越とは別に、繰戻還付という制度が青色申告事業者に限って認められています。これは、今年出た赤字を前年度の所得金額から差し引き、その総所得額によって税額を再計算するというものです。それによって税金の支払い過ぎとなってしまった場合には、還付が受けられるのです。

たとえば、上記のように今年150万円の赤字となったものの、前年度は150万円の黒字だったとします。繰戻還付の制度を利用すると、前年度で払った所得税の還付を受けられるようになります。ただし、この還付については再計算の仕方が複雑になることもありますので、税務署や税理士に相談してみると良いでしょう。

コロナの影響で赤字になった場合の税金・保険はどうしたらいいか?

新型コロナウイルスの影響は非常にひどく、前例にない規模となっています。そのため、個人事業主も含め事業者を救済するための措置が、税金・保険面でも取られています。たとえば、社会保険料や国保料、税金などが支払えなくなってしまったケースの制度です。

国税庁は「新型コロナウイルス感染症の発生に伴い納税が困難なモノ者への対応について」という指示を出しています。これによると、2020年の2月より後に売り上げが急激に落ちている場合、税金の支払いを1年間猶予してもらえることになります。

このうち納税が猶予されるもので個人事業主に当てはまるものとしては、所得税や消費税があります。企業であれば法人税も猶予されます。明確に明らかにされている内容としては1年間のみの納税猶予となっていますが、最大で6年間の猶予とする案も検討されています。これからの新型コロナウイルスによる影響によって、さらに制度が拡張されることも考えられます。

また、納税の猶予だけでなく換価の猶予も決まっています。これは、納税ができなかったために、差し押さえなどの措置を取ることを猶予するという制度です。支払えなくなって差し押さえがなされると決定されていても、コロナの影響であると認められれば猶予されるわけです。この換価の猶予については、社会保険料や地方税なども適用される流れとなっていますので範囲が広いです。

手続きは税金の種類によって異なりますが、所得税などの国税であれば税務署管轄となります。それぞれの自治体で実施している救済制度も存在しますので、税務署や役所で相談してみて最大限制度を活用できる方法を調べると良いでしょう。手続きは全体的に簡素化されていて、簡単な書類作成だけで申請できるようになっています。

制度利用のためには収入が激減したというものがあります。そのためには、前年と今年の売上票などを持参すると確認が早いです。今までの収入と比較して収入が激減したということが条件となっていますので、原則としては数年間の営業実績があるということになります。

しかし、今年事業を始めたという個人事業主でも対象となるとも指示されています。その場合、収入の比較が難しいところではありますが、事業届を出した日付が分かるものや、事業開始してからの売り上げが分かる帳簿などを持参すれば良いでしょう。

健康保険料などは減免制度を利用できる

税金については上記のような猶予制度が採られることになっています。一方で、国保などの保険料や医療費の伊津部負担の支払いが難しいという個人事業主もいます。その場合は、まず、徴収の猶予制度を利用できます。税金・保険のどちらも上記のような形で、申請をすることによって支払いの猶予が認められることになります。

さらに、収入が激減してもらって保険料などの支払い自体が難しいという場合には、申請減免を利用できる可能性があります。これはそれぞれの自治体で申請できるもので、保険料の減額や免除が受けられます。猶予よりもさらに経済状況が厳しい個人事業主にとってはありがたい制度であると言えるでしょう。

こうした減免制度については、それぞれの自治体で対応が異なる点があります。そのため、まずは売上の減少を示す帳簿などを持参して、窓口で相談してみるのがベストです。まずは猶予、次に減額、そして最後に免除という順番で制度を利用することになりますが、事業者にとって一番負担のかからない方法を制度の枠組みの中で案内してくれるはずです。

コロナの影響で赤字になった場合の様々な救済措置

このように、税金・保険の点で様々な既存制度の利用や、新たな制度の活用によって、赤字になったとしても個人事業主へのサポートがあります。こうした分野以外にもいくつかの救済制度が設けられています。たとえば、家賃支援給付金というものがあります。

これは、2020年の5月から12月の売上高においては、前年と比べて50パーセント以上の減少、もしくは連続する3か月の収入合計で30パーセントの減少となっている場合に受けられるものです。フリーランスも含めた個人事業主では、37,5万円までの賃料であれば、賃料の3分の2が給付されます。

他にも様々な補助金制度があります。最も利用しやすいのは持続化給付金と呼ばれるものです。以前からこの制度はありましたが、新型コロナウイルスの影響で枠が広げられ最大で100万円の補助金が出ることになります。しかも、給付条件が緩くなっていますので、コロナの影響で赤字になった場合に申請しやすい制度です。

こうした点も踏まえて、確定申告や記帳などの処理をするためには、クラウド会計アプリを利用するのが便利です。個人事業主の会計方式にも対応していますので、より作業を簡素化して正確にするのに役立ちます。


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