2020年に入り、コロナウイルスの影響によって多くの企業が業績悪化に直面しています。日本政府は事業者向けの援助策として4月7日に「持続化給付金」を発表しました。「コロナ給付金」と呼ばれることもあるこの制度を活用することにより、法人であれば最大200万円、個人事業主であれば最大100万円の援助金を受け取ることができます。

とはいえ、持続化給付金の受給資格は明確に定められており、それに違反した場合には罰則が起用されることになっていますから、これから申請を考えている個人事業主は内容を精査して、自分が本当に受給資格を満たしているかどうか、よく確認することが必要です。

持続化給付金の主な受給資格

持続化給付金は、コロナ対策の一環として営業自粛などの影響により大幅に売り上げがダウンしてしまった事業者をサポートするための施策です。対象となるのは法人および個人事業主なので、正規雇用者および非正規雇用者に関しては適用されません。

一方、個人事業主に関しては、青色申告をしている人だけでなく、税務署に開業届を提出していない白色申告の人でも申請することが可能となっています。事業者として事務所を運営しているかどうかは受給資格に含まれていません。つまり、フリーランスのWEBライターなどもサポート対象となっています。ですから、この持続化給付金制度は非常に適用範囲が大きいセーフティーネットであるということが分かるでしょう。

基本的な受給資格は「前年度の売り上げと比較して、特定の月に関する売り上げが50%未満になっていること」です。例えば、2019年7月の売り上げが50万円で、2020年7月の売り上げが25万円未満であれば、受給資格を満たしているということになります。

審査対象となるのは2020年の1月から12月までとなっており、その中で1か月でも前年比で売り上げが半分未満になれば申請をすることが可能です。ただし、この給付金制度では、減少幅が大きいとその分支給額も大きくなるので、減少割合がより大きな月の売り上げを申請に活用しましょう。

一例として、2019年7月と8月の売り上げがともに50万円であった個人事業主について考えます。2020年7月の売り上げが20万円で、8月の売り上げが10万円であった場合、8月の方が売り上げの減少割合が大きいので、申請の際には8月の売上台帳を提出することで受給額がより大きくなるというわけです。政府のサポートを十分に活用するためにも、売り上げのマイナス幅がより大きい月はいつなのかをしっかりチェックしてから申請しましょう。

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提出するべき書類は何か

コロナ給付金を申請する際に提出する書類は主に5つあります。

1つ目は税務署の受け取り印が入った「確定申告申告書第一表」の控えです。

E-TAXで確定申告をした人は受信通知メールを添付すれば問題ありません。ただし、確定申告の時点で確定申告書第一表の控えを送付しておらず返送の手続きをしていない人は受け取り印入りの書類がないでしょう。また、受信通知メールを誤って削除してしまったという人もいます。そうしたケースでは、税務署へ申請を行い2019年度の納税証明書を発行してもらいましょう。納税証明書の申請は郵送でも行うことができます。申請用紙を印刷して必要事項を記入したら、切手を貼った返信用封筒および収入印紙を合わせて送りましょう。早ければ2、3日で返送してもらえます。

2つ目の書類は「売り上げが減少した月の売上台帳」です。

台帳には「どの月か」「売り上げはいくらか」「事業者名は何か」の3点がはっきりと記載されていなければなりません。

3つ目は「本人確認書類」です。

写真入りであることが条件なので、有効期限が切れていない運転免許証やパスポートの写しを用意しましょう。

4つ目は「通帳の写し」です。

コロナ給付金の振り込み先として、金融機関名が分かる表紙と、口座名義人が分かるページのコピーを提出しましょう。ただし、口座名義人と個人事業主が同一であることが条件です。

5つ目は「青色申告決算書の控え」です。

青色申告をしている個人事業主は先に挙げた4つに加えてこの書類を提出する必要があるので注意しましょう。

本当に売上は落ちてるがコロナのせいとは言えない場合はどうすべきか

事業の売り上げはさまざまな要素に左右されます。2020年に関しては、取引先の経営状態が悪化して、商談や契約を打ち切られたために売り上げが大きく減少したという個人事業主は少なくないでしょう。また、小売り業を営んでいる個人事業主であれば、自粛要請に基づいて店舗を閉鎖していたため売り上げが落ち込んだり、来店するお客さんが大きく減少したりというケースもあります。

あるいは、事業主本人がコロナに感染してしまい、長期間仕事ができなくなったという事例も珍しくありません。こうしたときには、持続化給付金を申請してもまったく問題ありません。

一方で、本当に売上は落ちてるが、一概にコロナのせいとは言えない場合もあるでしょう。例えば、2020年に入って事故を起こしてしまい働けなくなった、家族の介護をしなければいけなくなり事業の継続が難しくなったなどのケースが挙げられます。こうした理由から業績が悪化した個人事業主が持続化給付金を申請した結果、法律的な観点からは詐欺になるケースがあります。

なぜなら、政府が持続化給付金制度を設けた理由は「新型コロナウイルス感染症による影響で売り上げが悪化した中小企業および個人事業主を支援するため」だからです。ですから、申請を行う際、各事業者は「直接的あるいは間接的に新型コロナウイルス感染症が原因となってこのように状況が変化し、結果的に自社の売り上げがダウンしました」とはっきり説明できなければなりません。

そうした説明ができないにも関わらず「ちょうど売り上げが落ちたから活用させてもらおう」というのは、この制度が設けられた趣旨と反していると言えます。実際、給付金の申請が条件に合致しておらず、給付詐欺と認定されてしまった場合には、給付金の全額返金と罰金に加えて刑事罰が適用される可能性が高いという点も覚えておきましょう。

コロナ給付金がもらえない場合は補助金制度の活用を検討しよう

持続化給付金の受給資格を満たさない場合でも、他の支援金や補助金制度を利用できる可能性があります。1例として「持続化補助金」が挙げられます。これは経済産業省が運営する小規模事業者支援策で、最大50万円まで支援を受けることが可能です。

コロナウイルスの影響により売り上げが20%以上落ち込んだ場合には、支援枠が最大100万円まで拡充されます。ただし、経営計画書に基づいて事業内容を完遂しなければ支援金は受け取ることができないなど、交付に際しては複数の条件があることを覚えておきましょう。

また「IT導入補助金」もあります。これは独立行政法人である中小企業基盤整備機構によって運営されており、業務効率を改善するためにPCやタブレット端末などの設備投資を行う事業者が申請可能です。テレワークへの切り替えなどで端末をリースしたり、新たなネットワークや管理システムを導入したりした場合も申請できます。

補助金額は最大450万円となっており、事業規模や事業内容に応じて決定されます。こうした補助金を活用することで、社内インフラのスムーズな整備が可能となるでしょう。

持続化給付金を始めとして政府や自治体へ援助金を申請する場合、確定申告書など会計に関わる複数の書類を提出する必要があります。こうした作業をスムーズにしてくれるのが「クラウド会計」です。データが自動的に連携してくれるので面倒な仕分けなどもスピーディーに完了するのでおすすめです。

コロナ給付金・助成金の申請および仕分けは青色申告と白色申告でどう違うのか?

持続化給付金の申請は2020年9月時点で330万件を超えています。日本国内で事業者として確定申告を提出している人はおよそ350万人とされているので、全体の9割以上が新型コロナウイルスの影響を受けて業績が悪化したということが分かります。

今回経済産業省が中心となって運営されている持続化給付金、いわゆる「コロナ給付金」では、税務署へ開業届を提出して事業を営んでいる青色申告者だけでなく、フリーランスで事業収入を得ている白色申告者も対象となったことで話題を呼びました。

それぞれ申請の際に提出する書類や、給付を受けた後の仕分けなどに関しては多少の違いがあります。その詳細や解説を覚えておくことで、2021年に確定申告書類を税務署へ提出する際、青色確定申告・白色確定申告のどちらを行うとしても、不備を指摘されてしまうというリスクは大幅に下がるでしょう。

青色申告を行っている事業者が申請できる条件とは

個人事業主で青色申告を行っている場合、持続化給付金を申請できる条件は2つあります。

  • 2019年度の売り上げと比較して、2020年の売り上げが50%未満になった月があること
  • 2020年以降も事業を継続する意思があること

1つ目の条件に関して例を挙げると、2019年7月の売り上げが30万円であった場合、2020年7月の売り上げが15万円未満であれば持続化給付金の給付申請が可能となります。

ただし、申請書類として売り上げ台帳を提出するときに注意すべきポイントがあります。それは、「2019年と2020年の同じ月に関する売り上げを比較する」ということです。例えば、2019年1月の売り上げが50万円、2019年7月の売り上げが30万円で、2020年7月の売り上げが20万円であった場合、2019年1月と2020年7月のデータを提出して「60%業績が悪化しました」と申請することはできないのです。

2020年7月の売り上げを申請用のデータとして提出する場合、2019年のデータも同じ7月でなければなりません。2つの業績を比較すると、下げ幅は33%であり、50%未満にはなっていません。ですから、持続化給付金の給付対象とはならないことになります。

青色申告を行っている事業者が提出する書類

2019年に青色申告を行った個人事業主に関しては、持続化給付金の申請において5つの書類を整えて提出する必要があります。

1.2019年分の確定申告書第一表の控え

ただし、控えは確定申告をした税務署の受け取り印が入っていることが条件となります。E-TAXで確定申告をした人は、控えの代わりに受信通知メールを添付しましょう。どちらも提出することができない人は、税務署へ申請して2019年の納税証明書(その2)を発行してもらい、収受印のない確定申告書第一表の控えと合わせて提出します。

2.2019年分の青色申告決算書の控え

これは青色申告をしている個人事業主のみ提出する必要があります。

3.2020年対象月の売上台帳の写し

前年度と比較して売り上げが50%未満となった月の売上台帳を添付する必要があります。事業者名と対象月がしっかりと明示されていることを確認しておきましょう。

4.預金通帳の写し

金融機関名と口座名義人の名前が確認できる写真データを用意しましょう。

5.本人確認書類の写し

運転免許証やパスポートなど、本人の顔写真が入った書類が必要となります。持続化給付金の申請は基本的にインターネット上で行うので、これらの書類はすべてJPGやPDFなどの電子データにしておきましょう。

白色申告を行っている事業者が申請できる条件とは

2019年に白色申告をしている人が持続化給付金を申請する条件も2つです。

  • 2020年以降も事業を継続する意思があること
  • 2019年における事業収入の月平均と比較して任意の月の売り上げが50%未満になっていること

この2つ目が青色申告の条件と大きく異なります。

例えば、2019年1月は26万円売り上げたものの、2月から12月は毎月2万円だったという場合を考えます。給付金の審査において基準となる金額は月平均なので、2019年の年間収入48万円を12で除算した4万円となります。

2020年中の売り上げが毎月3万円だった場合、前年度平均と比較して50%未満になっている月がないということで、給付対象外となってしまうのです。このシステムを理解せずに申請をして審査が通らなかったというケースがあることを覚えておきましょう。

白色申告を行っている事業者が提出する書類

2019年に白色申告を行った個人事業主は、持続化給付金の申請において4つの書類を提出する必要があります。

1.2019年分の確定申告書第一表の控え、もしくはE-TAXの受信通知メール

税務署の受け取り印が入った控えがない、あるいはE-TAXの受信通知メールがないという人は、税務署で納税証明書(その2)を発行してもらい、収受印のない確定申告書第一表の控えと合わせて提出します。

2.2020年対象月の売上台帳の写し

前年度の月平均と比較して売り上げが50%未満となっているか、事業者名と対象月がきちんと記載されているかに注意しましょう。

3.預金通帳の写し
4.本人確認書類の写し

1つでも不備があると審査が通らないので、確認には十分に時間を取りましょう。

給付金などはどうやって仕分けをするのか

政府が個人事業主を含む企業を対象として実施しているコロナ給付金・助成金制度は、持続化給付金のほかに家賃支援給付金や雇用調整助成金など複数あります。また、県や市が実施している中小企業向けの経営支援金制度を申請した人もいるでしょう。

これらの申請が認められて給付を受けられた場合には、それらをすべて事業収入として計上する必要があります。これは青色申告をしているか、それとも白色申告かに関わりなく必ず記載しなければなりません。コロナに起因する経済対策として全国民に一律10万円が給付された定額給付金とは異なり、非課税という扱いではないということを必ず覚えておきましょう。

一例として、個人事業主として持続化給付金が銀行口座(普通預金)へ最大給付額である100万円入金された場合、仕分けは「借方勘定科目」が普通預金、「借方金額」が100万円として計上します。「貸方勘定科目」は雑収入を選択しましょう。「貸方金額」は同じく100万円、そして「摘要」の項目には持続化給付金と記載すれば完了です。


これらコロナウイルス拡大に関連した給付金・助成金に関しては、原則的に返納する必要はありません。また、消費税の課税対象外であるという点も覚えておきましょう。

加えて、年間の売り上げが大幅に落ち込んでしまった個人事業主の中には、各種給付金を事業収入として計上しても、年間の支出や経費が所得額全体を上回ってしまい、確定申告用の書類を作成したら事業所得の部分がマイナスになってしまったということもあり得るでしょう。そうしたケースでは、これまでと同様、事業主に対して所得税が課されることはありません。

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