最近はフリーランスという言葉も定着していますが、個人で仕事をしたり会社経営をする個人事業主が増えてきました。個人事業主の多くは帳簿と確定申告をスムーズに行うことに苦労されますが、より効率的に会計処理を行うためにはどんなことができるでしょうか。
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クレジットカードを個人用と分けるべきか
クレジットカードは個人使用のものと事業用のものと分けた方が良いのでしょうか。それぞれのメリットとデメリットを考えてみましょう。まず、クレジットカードを個人用分けないで事業用のものを作った場合のメリットですが、一番のメリットはお金の管理が簡単になることです。
カード使用日と支払日のズレは生じますが、お金の管理は非常に簡単になります。専用のクレジットカードでの買い物イコール経費ということになりますし、明細があれば何の経費なのかもすぐにわかるからです。明細には月ごとのものが記載されているので、紙のレシートを何十枚と保管・管理しておく手間も省け、非常に効率的でしょう。
帳簿に関しても、毎月毎月の経費を入力したり計算したりする手間がこのことで一気に簡素化できるため、大幅な時間と労力の削減になります。
一方、事業用のクレジットカードを使うことのデメリットですが、一番のデメリットはポイントです。カードを分けてしまうと失ってしまうポイントも年間だと結構出てしまうでしょう。とりわけ、事業で使用する買い物はそれなりに金額も大きいものになるので、個人用と合わせた方が確実にポイントが貯まると思います。
また、事業規模がそれほど大きくない場合は、そもそもの経費も少ないわけで、事業専用のカードを持つメリットはあまりないかもしれません。
クレジットカードを個人と事業と兼用する場合の注意点
クレジットカードを個人用分けない場合、すべての取引が一括して同じ日に引き落とされます。そのためプライベート使用のものと事業用経費とが混在してしまうため、帳簿の数字をはっきりと明確にしておかなければなりません。また、仕分けの方法が個人用のクレジットカードと事業用のクレジットカードの場合では異なってくるために注意しなければなりません。
個人用のクレジットカードの場合は借方に購入したものの勘定品目と費用、貸方に事業主借という仕分けになります。簡単に言うと、事業用口座からの個人用に現金を拝借しています、という形の仕分けになります。
クレジットカードを兼用している人のほとんどが、最初はそんなに事業が大きくなかったので特に気にせずに事業と個人との兼用を始めるかもしれませんが、後になってから新しいクレジットカードを作るには時間や手間がかかることを覚えておきましょう。なお、個人用と事業用と分けた方が良いものはクレジットカードだけでなく、口座も分けておくと事業資金の流れがより明確になるために帳簿や書類の作成がかなり簡単になります。
クラウド会計ソフトのメリット
このように個人で事業を始めると、帳簿をつけたり確定申告をしたりすることが個人事業主にとっては面倒な仕事の一つになります。そのため、税理士にお願いして書類を作成される方も多くおられますが、やはりそれなりの費用がかかってしまいます。
また、自身や身内にお願いして経理をされている方も多くおられますが、そのような場合には会計ソフトが通常用いられています。このような会計ソフトは、普通はソフトウェアを購入してパソコンにインストールして使用します。しかし、最近ではその必要がないクラウド会計ソフトが人気を集めています。
このクラウド会計ソフトとは一体どのようなものでしょうか。先ほど説明したように、従来の会計ソフトはパソコンにインストールして使用するものです。一方、クラウドソフトはインターネット経由で会計ソフトの管理やサービスを提供する会社に使用料金を払って会計ソフトを使用するというものです。
更にわかりやすく説明すると、インストールせずにインターネット経由で利用する会計ソフト、ということです。ネット環境と必要なスペックを備えたパソコンがあれば、細かい設定も必要なく利用することができる優れた会計ソフトになります。このクラウド会計ソフトにはどのようなメリットがあるでしょうか。
メリットその1
まず一つ目のメリットですが、常に最新のものを利用できるということです。従来のインストール型の会計ソフトの場合、バージョンアップされた時に再度購入、そしてインストールする必要がありました。パソコンの買い替えの時にもすべてのデータの保管、移行を含めてかなりの手間が要りました。
しかし、クラウド会計ソフトの場合はインターネット経由でのやりとりになるため、常に最新のソフトを使うことができます。今まで自分で行っていたアップデートや更新作業をソフトのサービス提供会社が行ってくれるわけです。パソコンを買い替えた場合でも、インターネットにつなげば問題なく利用を続けることができるためとても便利です。
メリットその2
二つ目のメリットは銀行口座やクレジットカードとの紐づけが簡単にできることです。先ほどから考えているように、個人事業主にとって経費の計算や仕分けは非常に面倒な仕事の一つになります。クラウド会計ソフトを利用した場合、このような面倒な作業を省くことができます。
そのためにはネットバンキングが必要にはなりますが、事業用口座をネットバンキングにして、さらにクレジットカードもその口座に連携させておくならば出入金やカードの利用履歴などが自動的に会計ソフトに反映されるようになります。そのため、今まで自身で会計ソフトに入力していた手間が省け、とても効率的になるでしょう。
こうしたことを考えると、個人用と事業用とではクレジットカードを分けた方がメリットがあるでしょう。個人用のクレジットカードをクラウド会計ソフトに連携させることはできますが、読み込まれたデータの中からプライベート使用の出費を外す手間がかかるので、クラウド会計ソフトのメリットを最大限に活かすことができなくなってしまいます。
多少のポイントは犠牲になりますが、時間効率と手間を考えた場合には事業専用のクレジットカードを持っている方がはるかにメリットがあるでしょう。クラウド会計ソフトの利用を考えているか、もしくはすでに使用している場合はクレジットカードを準備しておくと良いでしょう。
メリットその3
そしてクラウド会計ソフトを使うことの三つ目のメリットは自分でバックアップを取っておく必要がないということです。クラウド会計ソフトは自分のパソコンにインストールするものではないので、たとえ自分のパソコンが壊れてしまってもデータを失ってしまうことはありません。インターネット経由でサービス会社に(クラウドのサーバーに)データが保管されているからです。
バックアップ体制が万全というのはとても安心です。そのため、自分自身でこまめにデータを別媒体にバックアップして保管しておく必要もありませんし、先ほど考えたようにパソコンの買い替えなどが生じてもデータの引っ越しの手間もかからずに済みます。
まとめ
個人事業を行うことは経営者にとってはやりがいがあり楽しいことがある反面、全てを自分で行わなければならないデメリットもあります。特に会計に関しては苦手な人も多くおられるため、この点で少しでも手間を省きたい場合はクラウド会計ソフトの利用を考えてみると良いでしょう。その際には事業専用のクレジットカードがあると更に便利です。
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